トラック・バス・タクシー運転手の労働時間ルールが変わりました

トラック・バス・タクシー運転手の労働時間ルールが変わりました

2024年4月22日 | We willグループ

社労士法人We willの霜田です。
クリック1つですぐ必要な商品を届けてくれるネットショッピングの普及で、私たちの生活はとても便利になりましたね。
その陰で、モノの移動を支えるドライバーは長時間労働が常態化しており、運送業は労災認定(脳・心臓疾患)が最多の業種として問題視されてきました。

そうした中、国は自動車運転者の労働時間ルールを見直し、2024年4月から適用されています。

主な変更点は次の通りです(→の前が改正前、後ろが改正後)。
※拘束時間:始業から終業までの、荷待ち・休憩・仮眠・整備・客待ち等を含む時間
※休息期間:終業から次の始業までのインターバル

●トラック
【拘束時間】上限
1年: 3516時間 → 原則3300時間(最大3400時間)
1か月: 原則293時間(最大320時間) → 原則284時間(最大310時間)
【休息期間(1日)】
継続8時間以上 → 継続11時間以上を基本とし、9時間を下回らない

●バス
【拘束時間】上限
1年: 原則3380時間(最大3484時間) → 原則3300時間(最大3400時間)
1か月: 原則281時間(最大309時間) → 原則281時間(最大294時間)
【休息期間(1日)】
継続8時間以上 → 継続11時間以上を基本とし、9時間を下回らない 

●タクシー・ハイヤー 
【拘束時間】上限
<日勤>
1か月: 299時間 → 288時間
1日: 16時間まで延長可 → 原則13時間(延長しても15時間、14時間超は週3回まで)
<隔勤>
1か月: 262時間(変更無)
2暦日: 21時間 → 22時間(かつ2回の隔勤を平均し1回あたり21時間)
【休息期間(1日)】
<日勤>
継続8時間以上 → 継続11時間以上を基本とし、9時間を下回らない
<隔勤>
継続20時間以上 → 継続24時間以上を基本とし、22時間を下回らない

詳しくは厚生労働省HPをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/roudoujouken05/index.html

働き方を見直すため、デジタルツールの導入は有効です。システム導入により、「ドライバーの勤怠状況を正確に把握し、運行計画に無理がないか見直す」「荷待ち・荷物の積み下ろしを予約制にする」など、運送会社と発荷主・着荷主が一丸となって業界慣行を変えていく必要があります。
適正な労働時間、賃金への見直しは、人材定着・確保にもつながります。

消費者サイドも、「『送料無料』ですぐ商品が手に入ること」が当たり前と思わず、こうした働き方見直しにともなって生じる変化に理解を示していくことが求められます。

top