1か月単位の変形労働時間制

1か月単位の変形労働時間制

2023年11月13日 | We willグループ

社会保険労務士法人Wewill平野です。
今回は労働時間の制度について取り上げてみたいと思います。

労働時間の制度に変形労働時間制というものがあります。
変形労働時間制は、「繁忙期の所定労働時間を長くする代わりに、
閑散期の所定労働時間を短くする」といったように、
業務の繁閑などに応じて、労働時間の配分等を行い、
全体としての労働時間の短縮を図ろうとする制度です。

変形労働時間制には次の4つの制度があります。
・ 1か月単位の変形労働時間制
・ 1年単位の変形労働時間制
・ 1週間単位の非定型的変形労働時間制
・ フレックスタイム制

その中でも、変形労働時間制度の中でも最も基本的な
1か月単位の変形労働時間制について説明させて頂きます。

1か月単位の変形労働時間制は、
期間(1か月以内)内の1週あたりの平均の所定労働時間が、
1週の法定労働時間(原則40時間)を超えないという定めをした場合に、
期間内の特定の週や日において、法定の労働時間(1週40時間・1日8時間)を超えて、所定労働時間を設定することができるという制度です。

具体的なイメージとしては、
月初めや月末などに業務が集中している場合に、
次の2つの導入パターンが考えられます。

パターン1 1日の所定労働時間を一定にする
1日の所定労働時間を一定(毎日8時間)に設定し、
繁忙期の第1週と第4週は週6日出勤、あまり忙しくない第2週と第3週は週4日出勤として、期間内の週平均40時間以内に設定する。

パターン2 週所定労働日数は一定にする
週所定労働日数は一定(週5日勤務)に設定し、繁忙期の第1週と第4週に1日の労働時間を10時間、第2週と第3週は1日の労働時間を6時間として、期間内の週平均40時間以内に設定する。

本来、1週40時間を超えた労働時間には、時間外の割増手当(残業代)が発生します。
この変形労働時間制を導入すると、期間内を平準化し、週40時間とすることが可能となり、設定どおりの労働であれば週40時間を超えていても、残業代が発生しなくなります。

パターン1の場合で見てみますと、
変形労働時間制を設定しない場合、
1・4週目:8時間×6日=48時間(各週で8時間分の残業代が発生)
2・3週目:8時間×4日=32時間

変形労働時間制を設定した場合
1・4週目:8時間×6日=48時間(8時間分の残業代が発生しない)
2・3週目:8時間×4日=32時間

誤った解釈をされているケースがあるのですが、
1か月単位の変形労働時間制は、1か月経ったときに、
結果的に週平均40時間になっていれば良いという制度ではありません。
事前に1か月間の勤務表を作成し、所定労働時間を設定する必要があります。

導入する場合には、労使協定、または就業規則などによって、
変形労働時間制を採用する旨など定める必要があります。

詳しい内容が知りたい場合は、弊社までお問合せください。

top