子ども・子育て支援金とは?令和8年度からの徴収開始と実務対応の整理

子ども・子育て支援金とは?令和8年度からの徴収開始と実務対応の整理

2026年2月2日 | We willグループ

社会保険労務士法人We will事務局です。

少子化対策の強化に向けた制度改正が続く中で、企業実務として事前に整理しておきたいのが「子ども・子育て支援金」です。「負担増」の印象が先行しがちですが、実務では、何月分から・いくらが発生するのかを具体化し、給与計算と従業員説明に落とし込める状態にしておくことが重要になります。
子ども・子育て支援金とは、子ども・子育て支援を社会全体で支えるため、医療保険制度の納付ルートを通じて拠出する仕組みです。被用者保険に加入している場合、国が毎年度一律の支援金率を示し、標準報酬月額×支援金率で支援金額(月額)が算定されます。さらに、基本的に支援金額の半分は企業負担(労使折半)となるため、給与明細で本人負担分が控除として見える点は、従業員への周知・説明においてあらかじめ整理しておきたいところです。
こども家庭庁は、令和8年度(2026年度)の被用者保険における支援金率を0.23%とすることを示しており、標準報酬月額×0.23%で算定される金額が「4月分」から徴収される整理です。ここで注意したいのは、社会保険料と同様、会社の運用(当月控除/翌月控除)により、明細で控除が見え始める支給月が前後し得る点です。まずは自社の控除ルール(締日・支給日との関係)を確定し、社内で説明の基準を揃えておくと安心です。
負担感については、年収別の試算も公表されています。たとえば年収400万円の場合、被保険者1人当たりの負担額は労使合計で月767円(本人負担は383円)とされています。また、標準報酬月額ベースで見ると、たとえば標準報酬月額30万円の場合は労使合計690円程度となり、本人負担はおおむね345円が目安になります。なお、徴収は月例給だけでなく賞与も対象となり、育児休業中は減免される点も、給与設計・説明対応の観点で整理しておきたい事項です。
さらに、支援金は段階的な拡大が予定されており、支援金総額は令和8年度概ね6,000億円、9年度概ね8,000億円、10年度概ね1兆円と増加する整理で、10年度の負担は8年度の約1.7倍程度になる見込みとも示されています。
あわせて、令和8年度の協会けんぽの健康保険料率についても、すでに案(全国平均9.9%)が示されており、例年どおり「3月分」から見直しとなる点に留意が必要です。支援金は「4月分」からの整理であるため、開始月が同一ではありません。給与計算や従業員説明では、健康保険料率は3月分から、支援金は4月分からと分けて整理しておくと、混同を防ぎやすくなります。
まずは、自社の控除運用と締日・支給日の関係を整理し、「4月分」が実際にどの給与明細から見えるのかを社内で統一しておくと、導入時の混乱を抑えられます。そのうえで、給与ソフトの設定を確認し、従業員向けには開始時期と金額の目安、明細の見え方を簡潔に周知できる形にしておくと安心です。

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