2026年以降の施行を見据え、労働基準法の大規模な見直しが検討されています。
労働基準法は、働く人の最低限の労働条件を定める、日本の労働法制の根幹となる法律です。前回の大きな改正から約40年が経過し、現在の多様な働き方との間に大きなギャップが生じています。
テレワークの普及、副業・兼業の拡大、慢性的な人手不足など、企業を取り巻く労働環境は大きく変化しました。今回の改正では、こうした社会環境の変化を踏まえ、AIをはじめとするデジタル技術の活用も視野に入れながら、さまざまな事情を抱える人が能力を発揮できる社会の実現が目指しています。
改正法案には、企業の実務に大きな影響を与える論点が数多く盛り込まれる見込みです。早ければ2026年の通常国会に法案が提出され、2027年前後の施行が想定されています。
・労働時間・休日に関する主な見直し点
13日を超える連続勤務を禁止する「連続勤務の上限規制」
法定休日の特定を企業に義務付ける「休日の明確化」
原則11時間以上の休息時間を確保する「勤務間インターバル制度」の導入・義務化
・働き方の多様化への対応
年次有給休暇中の賃金算定方法の明確化・統一
時間外や休日の業務連絡を制限する「つながらない権利」への配慮
副業・兼業者に対する割増賃金ルールの見直し
一部業種に残る週44時間特例の廃止検討(原則40時間へ)
企業にとってまず重要なのは、「現在の社内ルールが実態に合っているか」を正確に把握することです。就業規則や労働時間管理、休日の運用が曖昧なままでは、法改正への対応が後手に回るおそれがあります。
特に今後は、労働時間を客観的・正確に把握できているか、十分な休息時間が確保されているか、時間外の業務連絡に関するルールが整理されているか、といった点が、より厳しく問われる可能性があります。
勤怠管理システムの導入・見直し、就業規則の改定、管理職や従業員への周知・教育を段階的に進めることが、現実的な備えとなります。
労働基準法大改正に備え、活用が検討できる助成金をご紹介します。
・働き方改革推進支援助成金
労働時間の短縮
勤務間インターバル制度の導入
年次有給休暇の取得促進
・業務改善助成金
勤怠管理システムの導入
業務効率化に資する設備投資
生産性向上に伴う賃金引上げ
40年ぶりとなる今回の労働基準法改正は、単なる「法令対応」にとどまらず、これからの働き方を見直す大きな転換点です。早めに準備を進めることで、法令遵守はもちろん、従業員の定着や生産性向上にもつながります。
なお、助成金の活用には事前計画や申請手続きが不可欠で、「知らずに進めてしまい、使えなくなってしまう」ケースも少なくありません。
制度改正への対応や助成金活用についてご不安がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。