2023年9月22日 | We willグループ
社会保険労務士法人Wewill 労務事務局です。
今回は、割増賃金の時間単価の計算の基礎となる賃金(手当)について説明させていただきます。
割増賃金の時間単価を計算する際に、会社ごとに独自の方法で計算されているケースが見られますが、どの手当を含めるべきか、どの手当を除外できるかについては、法律で定められています。
従業員に支給される賃金には、家族手当や通勤手当のように、労働と直接的に関係しない、個人的な事情に基づいて支払われる賃金が含まれます。これらの賃金を全て割増賃金の基準にした場合、家族の人数や通勤距離などの個人的な要因により、異なる割増賃金が発生する可能性があります。
このため、労働基準法施行規則第21条では、割増賃金の基準から除外できる手当について以下のように規定しています。
「労働基準法第37条第4項第4項の規定によって、家族手当及び通勤手当の他、次に掲げる賃金は、同条第1項(時間外・休日)及び第3項(深夜)の割増賃金の基礎となる賃金には算入しない。」
<算定基礎から除外できる賃金>
・家族手当
・通勤手当
・別居手当
・子女教育手当
・住宅手当
・臨時に支給された賃金
・1ヶ月を超える期間ごとに支給される賃金
これら7つの手当は、単なる例示ではなく、限定的に列挙されたもので、これらに該当しない通常の労働時間に対する賃金は、全て割増賃金の算定基礎としなければならないということになります。
会社ごとに独自の方法で計算されているケースでは、基本給だけを割増賃金の計算の基礎として計算しているケースが多いのですが、上記のように、基本給以外の各手当も割増賃金の計算の基礎に含める必要がありますのでご注意ください。
ご不明な点がありましたら、弊社までご相談ください。