社会保険労務士法人We will事務局です。
従業員を採用する際には、賃金や労働時間、休日などの労働条件を明示することが法律で義務付けられています。
その際に交付する書類が「労働条件通知書」です。
採用時には作成しているものの、長年同じ様式を使用していたり、法改正後も内容を見直していなかったりする企業も少なくありません。
労働条件通知書には、契約期間、就業場所、従事する業務、始業・終業時刻、休憩時間、休日・休暇、賃金、退職に関する事項など、労働基準法で定められた内容を記載する必要があります。
これらの事項を明確にすることで、会社と従業員の双方が労働条件を正しく理解でき、入社後の認識の違いや労務トラブルの防止につながります。
また、労働条件通知書は正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイト、有期雇用労働者など、雇用形態を問わず交付が必要です。近年では、労働者が希望した場合に限り、電子メールなどによる交付も認められており、ペーパーレス化を進める企業でも対応しやすくなっています。
なお、労働条件通知書は雇用契約書とは役割が異なります。雇用契約書は会社と労働者が契約内容を確認するための書類であり、法律上の作成義務はありません。一方、労働条件通知書は、労働条件を明示するために事業主が交付しなければならない書類です。
実務では、「労働条件通知書兼雇用契約書」として一つの書式で運用している企業も多く見られます。
さらに、採用時だけでなく、就業場所や業務内容、契約期間など、書面で明示した労働条件に変更があった場合には、その変更内容を労働者へ明示することも重要です。実際の運用と書類の内容が一致していないと、労務トラブルや労働基準監督署の調査の際に問題となる可能性があります。
労働条件通知書は、法令を遵守するためだけではなく、会社と従業員との信頼関係を築くための重要な書類でもあります。
この機会に、自社で使用している様式や記載内容が現在の法令や実際の運用に合っているか、一度確認してみてはいかがでしょうか。