106万円の壁が廃止されます!

106万円の壁が廃止されます!

2025年10月6日 | We willグループ

社会保険労務士法人Wewill 労務事務局です。
今回は、「106万円の壁の撤廃」について解説します。
パートやアルバイトの方だけでなく、企業の人事担当者にとっても重要なポイントです!

パートやアルバイトで働く方にとって、「106万円の壁」という言葉を耳にされたことがあると思います。これは、一定の条件を満たすと社会保険(厚生年金や健康保険)に加入することとなる基準のことを指しています。

106万円の壁とは…?

106万円の壁は、年収が106万円以上になると発生する社会保険の加入義務のことです。ただし、全員に適用されるわけではなく、次の条件があります。
・ 従業員数101人以上の企業で働いている
・ 週20時間以上勤務している
・ 月額賃金が8.8万円以上
・ 学生ではない
このすべての要件に当てはまる場合に、パート・アルバイトでも社会保険に加入することになります。

加えてこの時期に、気になるのが最低賃金の改定についてだと思います。
2025年の改定では、全国平均が初めて1,121円となり過去最大の伸びとなっています。最低賃金が上がると、同じ時間働いても自然と収入が増えることになります。
たとえば、静岡県で時給が 1,000円 → 1,097円 に上がった場合、
週20時間×月4週働くと、
「月収:80,000円 → 87,760円  年収:約96万円 → 約105万円」
となり、「少し働いただけで106万円に近づいてしまう」状況が増えるのです。
こうした背景から106万円の壁の撤廃の方針が決まりました。

撤廃により考えられる変化は次のとおりになります。
・ 年収106万円を気にしてシフトを調整する必要がなくなる
・ 社会保険加入がスムーズになり、将来の年金額が増える
・ 健康保険による傷病手当金・出産手当金などの保障が利用可能になる
・ 一時的には社会保険料の負担で手取りが減る可能性はあるが、将来的には安心につながる

年金額の増加だけでなく、健康保険被保険者でしか利用することのできない給付を利用できるのは嬉しいですね。
この改正をきっかけに、働き方の選択肢を増やしつつ、安心して働ける環境を整えていきましょう。

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