昨今、少子高齢化を背景として人口が減少傾向にあることに加え、生産年齢人口が減少していることにより、人手不足が深刻になりつつあります。今後更なる人口減少が続き、人手不足がますます深刻になることが見込まれる中、経済の成長のためには中小企業が労働生産性を高めることが必要です。
そのためにも従業員の仕事の能力の向上、企業の成長・発展に貢献できる人材を育成することで、業績向上につなげることが大切です。
2024年10月に教育訓練給付金が拡充されました。教育訓練給付制度は、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されるものです。
給付金の支給を受けるには雇用保険に加入し、支給要件を満たす必要があります。種類は一般教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金、教育訓練支援給付金があり、給付率が異なります。10月より拡充されたのは特定一般教育訓練給付金と専門実践教育訓練です。
特定一般教育訓練は一般教育訓練のうち特にキャリアアップ効果の高い講座を指定したものです。例えば対象の講座は介護職員初任者研修、大型自動車第一種・第二種免許、税理士、デジタル関係はITSSレベル2以上(基本情報技術者相当)になります。10月の改正で特定一般教育訓練給付率が40%から50%になりました。つまり入学料と受験料の合計金額の40%が支給されるだけでなく、10月からは一般被保険者等として雇用保険に加入しながらその訓練に係る資格を取得(学位の取得を含む)した場合は更に訓練金の10%が追加で支給されています。
専門実践教育訓練とは、民間事業者の行う講座のうち、難関の資格取得を目標とする講座、専門学校の職業実践専門課程、専門職大学院など、中長期的なキャリア形成を支援する専門的・実践的な教育訓練として厚生労働大臣が指定したものをいいます。具体的には介護福祉士、社会福祉士、看護師、美容師、歯科衛生士、保育士、調理師デジタル関ならITSSレベル3以上(応用情報技術者相当)などです。こちらも10月より専門実践教育訓練給付金の給付率は70%から80%に引き上げられました。
それぞれの対象講座はハローワークで閲覧できるほか、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で探すこともできます。
教育訓練給付金の拡充に加え、令和7年10月より教育訓練中の生活を支えるための給付制度が創設されます。雇用保険の被保険者が、教育訓練を受けるために「無給休暇」を取得した場合、生活費を支援するための給付金が支給されるようになり、生活費の心配をせずに訓練に集中できるようになります。給付額は、離職者が受け取る基本手当と同額です。
深刻化する人手不足の対応として各従業員のスキル向上を支援するために従業員へ教育訓練給付金制度の案内を案内してみてはいかがでしょうか。
教育訓練給付金が拡充されました
2025年4月7日 | We willグループ