社会保険労務士法人Wewill労務事務局です。
改正された育児介護休業法が5月31日に正式に発表されました。
詳細は追って省令で明確化される見込みですが、改正の主要なポイントは以下の通りです。
柔軟な働き方の導入
3歳以上で小学校入学前の子供を持つ労働者のために、事業主は柔軟な働き方制度を導入する義務があります。
これには、・始業時刻等の変更・テレワーク等(10日/月)・保育施設の設置運営等・新たな休暇の付与(10日/年)・短時間勤務制度のうち最低2つを選択し、労働者に提供する必要があります。(労働者は提供された制度から1つを選んで利用できます。)
残業免除が拡大
以前は3歳未満の子供を持つ労働者が対象だった残業免除制度が、小学校就学前の子供を持つ労働者にも適用されるようになります。
テレワークの導入推進(努力義務)
3歳に満たない子を養育する労働者がテレワークを選択できるようにする。
子の看護休暇の改定
従来の子の看護休暇は小学校就学前までの子供に限定されていましたが、小学校3年生までの子供に拡大されます。
さらに感染症による学級閉鎖や入学式、卒園式なども休暇取得の理由に加えられます。休暇の名称も「子の看護等休暇」に改称されます。
仕事と育児の両立に関して個別の意向聴取・配慮
事業主は、労働者の仕事と育児の両立を支援するため、妊娠や出産の申告時、または子が3歳になる前に労働者の意向を聴取し配慮することが義務付けられます。
育児休業取得状況の公表
育児休業の取得状況の公表が従業員数300人以上の企業に義務付けられ、これまでの1000人以上から基準が変更されます。
介護離職防止措置
事業主には介護離職を防ぐための具体的な措置が義務付けられます。これには従業員への周知、意向の確認、そして良好な雇用環境の整備が含まれます。
・個別対応の実施: 介護を申し出た労働者に対しては、面談や書面による周知・意向確認の措置が必要(具体的な手法は省令で定められます)。
・早期の情報提供: 40歳などの早い段階で労働者に対し、介護と仕事の両立支援制度に関する情報を提供。
・両立支援環境の整備: 労働者が介護と仕事を両立しやすい環境を整えるために、研修や相談窓口の設置などから選択して措置を施行(詳細は省令にて規定)。
・テレワークの努力義務: 要介護状態の家族を持つ労働者がテレワークを選択しやすいよう、事業主に努力義務が課されます。
・介護休暇の制度改正: 雇用期間が6ヶ月未満の労働者を介護休暇から除外する制度を廃止し、全労働者が介護休暇を取得しやすくなります。